生理の量で悩んでいる女性は少なくないはずです。目安としては、日中も夜用のナプキンを使う、あるいは夜間もナプキン交換に起きなければならない方は過多月経といえるでしょう。過多月経の代表疾患が子宮筋腫(以下、筋腫)です。筋腫は女性ホルモンの影響で大きくなるため、閉経すれば縮小して症状もよくなります。過多月経以外の症状は、生理が長引く、月経痛、頻尿などです。大きな筋腫があっても症状がないケースもよくあります。治療は日常生活や妊娠に支障がある場合に行いますが、今後妊娠の計画、閉経までの年数、困っている症状によっても治療法が変わってきます。また、筋腫合併妊娠は、痛みや分娩障害、分娩時の大量出血につながることもあります。一方で筋腫の手術をした後の妊娠は、子宮破裂のリスクがあるため帝王切開による分娩となることがほとんどです。これから妊娠を予定している方の手術については慎重な判断が必要です。
<治療方法>
・手術療法(子宮全摘、子宮筋腫核出術)
※腹腔鏡や子宮鏡手術が選択されることもあります。
・ホルモン療法(ピルの内服、月経を止める注射や点鼻薬)
・子宮内リング(黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム)
・血管内治療(子宮動脈塞栓術)